地方の葬儀はその地方特有の風習や一族のしきたりが大切に受け継がれていることが多々あります。近年では地方でも葬祭場で通夜・葬儀を行うところが増えてきましたが、「通夜は必ず自宅で行う」など、しきたりを守っている所もあります。
都市部で葬儀を執り行う場合、家族や故人の意向を中心に葬儀社と葬儀の方針について決定します。
しかし、地方の場合は、その葬儀方針の打ち合わせに親せきや近隣の関係者が加わることがあります。中には、親せきのうち年長者や近隣のまとめ役の人が「葬儀委員長」として、葬儀を取り仕切ることもあります。
こうしたしきたりには地縁性の深さが関係しています。都市部では多くの場合、安置所をご案内したりセレモニーホールにて安置し、通夜・葬儀を行います。葬儀社の多い都市部といってもそのやり方、費用は葬儀社ごとに異なります。例えば横浜市泉区の葬儀に関して【ひかりの杜】というHPで実際の見積もり等が閲覧できますので、参考にされてみてはいかがでしょうか?
地方では通夜や葬儀を自宅やお寺で執り行う風習が残っているところも多々あります。親せきや近隣のまとめ役の方から連絡があり、手伝いを依頼されることもあります。お手伝いの場には近所のおばさんや親せきの女性など、お手伝いを依頼されたさまざまな人が集まります。お手伝いでは代表者やまとめ役の人が指示を出してくれます。指示通り行い、完了したら報告します。手伝いをしていて不安なことや疑問があれば、代表者に「これはどのようにしましょうか」と遠慮なく相談します。
ここでは全ての地方の葬式を紹介できないので、代表として熊本地方の神式と仏式の基本的な葬式の作法をご紹介します。
神式
1.納棺
男性、女性用の御神衣を着用させます。
2.通夜祭
通夜祭は葬場祭前日の夜に執り行われます。故人と過ごす最後の夜となります。通夜開式2時間前に自宅へ霊柩車でお迎えし、斎場の説明をします。開式1時間前に式の流れの説明をして開式となります。祭壇には酒、水、米、塩、お頭付きの鯛、海の幸、山の幸乾物、饅頭、野菜(根もの、葉物)を供えます。神社は玉串奉奠と2礼2拍1礼を偲び手でおこなう作法を八足台に貼ります。通夜振舞いは一般弔問者の方は会食せず帰ります、遺族親族、ご近所の方が残り会食します。近年精進料理から半精進に移行する傾向があります。通夜後はご遺体を控え室に移します。【式の流れ】定刻祭主入場、開式→遷霊祭→玉串奉献→閉式。
3.葬場祭の儀
“葬場祭”は仏式の”葬儀・告別式”にあたる儀式で、故人に最後の別れをする儀式です。式2時間前からお斎の会食をします。1時間前に式壇前にて集合写真の撮影後、式の流れを説明してから開式となります。祭壇には酒、水、米、塩、お頭付の鯛、海の幸、山の幸乾物、饅頭、野菜(根もの、葉物)祭壇、鏡、社、玉串台、三宝台、玉串(ごへいを付けた物)を供えます。協会によってお参りの作法が異なりますが、神社は玉串奉奠と2礼2拍1礼を偲び手でおこなう作法を八足台に貼ります。
【式の流れ】祭主、斎院入場→開式→修祓→大祓詞奏上→大麻行事→玉串奉奠→弔電代読→遺族挨拶→退場→閉式。
4.法要
玉串奉奠と2礼2拍1礼を50日祭まで偲び手でおこないます。
仏式
1.納棺
足袋、脚絆、鉄鋼をつけ、数珠を持たせ、六文銭を胸元に入れます(真宗系は即身成仏で旅をされないので旅支度はしません)。納棺をしてから上から仏衣を掛けます。服装品は杖など。
2.通夜
通夜は告別式前日の夜に執り行います。故人と過ごす最後の夜となり、故人の死を受け入れる大切な時間です。近年では生活様式の変化により通夜の会葬者が告別式の会葬者に比べ多くなる傾向があります。通夜開式2時間前に自宅へ霊柩車でお迎えします。開式1時間前に式の流れの説明の後、開式15分前お寺と打ち合わせをします。その後、開式となります。祭壇にはご本尊、前卓、5具足、線香、賽銭盆、四華花、焼香壷、お寺用椅子、経机、宗派に合わせた飾りをします。焼香後、一般弔問者の方は会食せず帰ります、遺族親族、ご近所の方が残り会食します。近年精進料理から半精進に移行する傾向があります。通夜後はご遺体を控え室に移します。【式の流れ】開式→お寺入場→読経→退場→焼香→ご遺族挨拶→閉式→見送り通夜振る舞い。
3.葬儀、告別式
“葬儀式”は宗教的な儀式であり、”告別式”は一人一人とのお別れの場として厳密に分かれていました。式2時間前からお斎の会食をします。1時間前、式壇前にて集合写真を撮影し、式流れの説明、お寺と打ち合わせの後、開式となります。祭壇にはご本尊、前卓、5具足、線香、賽銭盆、四華花、焼香壷、導師用椅子、副導師用椅子、宗派に合わせた飾りをします。お坊様をご案内する場合、通夜ではご住職、葬儀では導師とお呼びします。精進落とし(精進あげ)は本来忌明け後に行いますが、近年では葬儀の当日にしてしまう事が多くなっています。更に初七日のお経も合わせて当日に済ませてしまう家庭も多くなっています。
【式の流れ】開式→導師入場→読経、途中導師焼香表白後ご遺族より焼香→導師退場→弔電代読→遺族挨拶→閉式→出棺の儀。
4.お別れ、出棺
前卓、導師用椅子等をわきに寄せます。柩の向きを変え蓋を開け、ドライアイスを取り除きます。供花を切らせて頂き、喪主より近い順に柩の中に手向けて頂きます。最後のお別れをして蓋を閉じます。近い男性の方に抱えて頂き霊柩車へと安置します。最後に霊柩車の前で挨拶を頂きます。皆様の合掌の元火葬場へと出発します。